自己破産とは
みなさんは「自己破産」と聞くと、どのようなイメージを思い描くでしょうか。
借金が嵩んで返済が行き詰った人?
まっとうな生活ができない人?
他人に知られたら体裁の悪い社会の落伍者?
いずれも間違いです。 世間一般に浸透しているこれらの印象はけして正解ではありません。
ここに100万円の借金がある人がいたとします。 任意整理や個人再生で仮に借金が半分になったとしましょう。確かに債務は減り、支払い猶予も伸びますが、それでも仕事をしながら残債を毎月返さねばなければならないことに変わりはありません。しかし自己破産ならばその心配は杞憂に終わります。もはや一円も返済をせずに済むのです。
自己破産に悪い印象がつきまとうのは、実際に自己破産をすると債務者にとってあまりにもメリットばかりが際立つため。自己破産は任意整理や個人再生と異なり、一度手続きをしてしまえば、以降はそれまでの借金を返さずに済みます。もちろん返済後、しばらくの間はカードが使えなくなったり、サラ金から借金ができなくなったりするデメリットはあります。しかしそれに何の心配があると言うのでしょう。借金の返済が滞ったり、多重債務で支払いが苦しくなった時点でどの信販会社もサラ金会社も融資などしてくれないのです。
自己破産はけして悪いものではありません。自己破産と言うネガティブな響きやイメージは債務者を牽制するために残されているものです。こんなに簡単に借金がなくせるんだ! と社会に知れ渡ってしまうと、多くの債務者がまだ返済ができる余力があるにも関わらず、すぐに自己破産手続きをするようになってしまいます。そうなると融資する側が大きな打撃を受けてしまい、国内の金融システムが機能不全を起こしてしまいます。
自己破産についてまず知っておくべきこと。それは自己破産が法的にどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるかを学ぶことではありません。自己破産と言うものになぜネガティブなイメージがつきまとっているかに気づくことなのです。
ネガティブなイメージの殻を破りましょう。ヒヨコが卵からかえるように。 思い切って手続きをしてしまえば、後はまぶしいほどの陽光が燦燦とあなたの身に降り注ぐことでしょう。
多重債務で返済期日に猶予がない方
取立・督促の停止
借金の返済のため、他の消費者金融などから借入をするようになると金利も返済期日も雪だるま式に増えるため、たちまち返済に行き詰まります。サラ金側もそれを承知しているため、借金の督促も今まで以上に厳しくなり、また他のサラ金も貸し渋るようになります。数日置きに督促が始まると債務者としてはとても精神的に苦しく、また実際の返済においても大変に難しいと言えるでしょう。
しかし当所に自己破産の手続きを委任いただけましたら、取立・督促を即時停止し、また各債権者に対して介入通知を発送いたします。それにより自己破産手続きが完了するまでの約半年~八ヶ月程度の期間、債権者は取立・督促を行うことができなくなります。この期間において債務者の方は生活を再建し、今後のライフプランニングをじっくりと立ててゆくことができるようになるでしょう。
借金が多すぎて返済できそうにない
債務の完全なカット
たとえば連帯保証人として不意に多額の債務者になることがあります。債務総額が大きい場合、たとえ毎月安定した収入が入っていたとしても金利の返済だけで精一杯で元本の返済ができないか、なかなか減らないことも少なくありません。
このような場合、任意整理や個人民事再生などで減債をする方法もありますが、それによって仮に借金が3分の1まで減ったとしても、残債を数年かけて返済しなければならないことに変わりはありません。その歳月を考えるのであれば、自己破産を行なってしまった方がずっと効率的なことがあります。
自己破産は名誉や信用を著しく毀損するような印象がありますが、けしてそのようなことはありません。よほど入念な調査をされない限り、周囲の人々に知られることもないため、借金の額があまりにも大きいようならば自己破産をすることが最も早い人生再建の手法となることも知っておくべきです。
精神的不安の回避
ストレスの軽減
自己破産を行うことの大きなメリットの一つに精神的な安息があります。これは一見すると見落としがちですが、重要な意味を持っています。多額の借金を負ったり、多重債務で返済が苦しくなったりすると債務者は精神的に著しく困窮します。支払いの期日が迫っているにも関わらず、返済のための用立てができない。このような状況に陥ると債務者はパニックになってしまうことも少なくありません。さらに悪意のある債権者はそれにかこつけて債務者を劣悪な環境の肉体労働や風俗店などで働かせようとすることもあるのです。
自己破産はこのような事態を回避するために最大限の機能を発揮する債務整理です。督促や取立をその場で停止させるとともに、半年以上は一切の取立が止まるため、債務者はまずは精神的な安定を手に入れることができるのです。これは債務者が思っている以上に大切なこと。冷静な判断と落ち着きを取り戻すことで金銭面のみならず、疲弊しきった精神をリフレッシュさせ、しばしの休養期間の後、再び人生の成功への道のりへと歩み出すことができるようになるのです。
情報漏えいの回避
自己破産は裁判所などの公的機関を利用します。そのため、自己破産を行った人は破産者として官報に記載されます。しかし官報は一般人が目を通すものではなく、たとえば興信所を雇ったり、金融業者と非常に密接な関係に置かれたりしていない限り、破産をした事実が周囲に知られる可能性は著しく低いと言えるでしょう。また免責が降りた時点で名簿への記載も抹消されるため、破産した事実を自分から周囲に触れ回らない限り、大きな問題にはまず発展しないのです。
過払い金や差し押さえなど、懸念事項のある方
長期にわたって複数の消費者金融から借入・返済を繰り返している場合、過払い金が発生していたり、逆に給与の差押えなどを消費者金融から起こされていたりすることがあります。しかし自己破産の手続きでは過払い金の請求を行うことは可能です。
自己破産後の生活に不安が残る方
自己破産の手続きで債務者の懸案のうち、多くは周囲に破産の事実を知られることと、破産後の生活に偏ります。自己破産者の破産後の生活への不安はさらに以下の2つに分かれます。
1)破産後の収入への不安
2)破産後の借金への不安1)においては当然の悩みと言えるでしょう。現状において生活できるほどの定期的な収入が毎月入っている場合ならば問題はありません。しかし自己破産を考えている債務者の場合、収入が極端に少なかったり、もしくは収入がまったくないケースも少なくありません。このようなときに大切なことは手続き期間を徹底して利用することです。当所ではお客様の人生の再建について仔細にわたる相談と提言を行なっています。債務者の今後の人生について親身な相談を行うため、見栄や体裁を取り繕うための不要な出費などがある場合、それらを削減するよう助言することもあります。我が事のように債務者の身になりきってアドバイスを出すからこそ、嫌われることも承知で厳しい意見も伝える。しかしそれが破産後の収入維持への確実なステップとなるのです。
2)については多重債務者の方が多く抱きがちな不安です。しかし自己破産とは「もう二度と借金をしない」と言う強い決意と引き換えに借金を帳消しにする債務整理です。この決意の有無は、裁判所の免責の許可にも大いに影響を与えます。借金生活が当たり前の多重債務者にとってはカードが使えなかったり、サラ金に借金ができなかったりすることは大変な不安の種となります。それでも一般の人々はクレジットカードも消費者金融も利用していない人はいたるところにいます。自己破産をすると言うことは、今後は一切の借金をしない生活になると言う決意の表明でもあることを自覚しましょう。
正規の借金のほか、ヤミ金など、不正規な金融業者の問題が生じている
自己破産はあらゆる借金を帳消しにする債務整理です。このため、手続きの際には今現在に至るまでのすべての取引を提示する必要があります。もし提示していない借金や手続き期間中に新しい借金をした場合、自己破産の手続きができなくなる可能性も否定できません。ただし、ヤミ金のような不正規な金融業者についての対応は債務整理業者によってまちまちです。申告は必ずしなければなりませんが、ヤミ金などの犯罪組織への対策を得意としない弁護士・司法書士は少なくありません。多くの弁護士・司法書士は元金もしくは元金に少額の金利を付けたものをヤミ金に返済することで問題解決を図ります。しかし事務的な債務整理業者の中には「ヤミ金は犯罪ですので放置しておいて問題ありません」とだけ告げて、後は債務者の問題とばかりに無関心を決め込むパターンもあります。シン・イストワール法律事務所ではサラ金などの正規の借金はもちろん、ヤミ金やシステム金融などの悪質な金融詐欺問題もワンストップで対応が可能。借金問題に関しては一切を隠さず、安心して当所に現状の問題をお伝え下さい。