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個人再生で失敗しないためには?!これだけは知っておきたいこと
裁判所を通じてする債務整理には、自己破産、個人再生があります。自己破産には抵抗がある人や、住宅ローンを維持したい人である程度の返済能力がある場合は、個人再生を選ぶ方が適切なこともあります。
ただ、個人再生は他の手続きより時間、費用、手間など負担がかかる面も多く、正しい前提知識を持ってから臨まないと、これらが無駄になってしまうこともあるのです。
申し立てが棄却されることもある?!そうならないためには
個人再生が最終的に成立するためにはいくつかのハードルがありますが、その中で個人再生の手続きが開始する前に裁判所から門前払いされてしまうのが「棄却」というものです。
個人再生手続きは非常にそろえる書類が多く、申し立てを裁判所に提出するまでも大変なのですが、開始決定がされずに棄却され失敗することになれば手間や時間の無駄は計りしれません。では、棄却となる要因には何があるのでしょうか。
・住宅ローンを除く債務が5000万円を超える場合
※5000万円以内の債務でなければ個人再生では処理できません。
・反復、継続して収入を得る見込みがない場合
※安定収入と、返済のめどが立つことが個人再生の絶対的な条件だからです。
・再生手続の費用を予納できない場合
※裁判所に支払う予納金には、個人再生委員(法律家など)と呼ばれる人への報酬や実費が含まれているため、これを支払わなければそもそも手続きが進められません。
・再生計画案の作成または可決、認可の見込みが明らかにない場合
※最終的に認可されなければ個人再生は成立しないため、申し立てを受理しても意味がないからです。
・不当な目的で再生手続開始の申し立てがされた場合
※債務者の適切な再生のため以外の理由で申し立てられたら、やはり最終的に認可されることが難しいからです。
これらの項目をクリアしているかどうかを事前にチェックした上で裁判所に申し立てをするべきです。ただ、弁護士などの法律家が間に入っていれば条件を満たさない申し立てがされることは考えにくいといえます。
個人再生計画が裁判所によって不認可になることもある
個人再生手続きが順調に進んでいっても、最終的に裁判所によって不認可にされる失敗もないとはいえません。5000万円以内の条件、反復継続した収入という条件の他に、不認可になる要因として次のようなものがあります。
・再生債権者の一般の利益に反する場合
※一部の債権者に偏って弁済している場合や、最低限債務者の手持ち財産以上の金額を返済しなければならないというルール(「清算価値保障の原則」)を満たしていない場合などがこれにあたります。
・不正の方法により決議が成立した場合
※個人再生の前に手持ちの財産を不正に譲渡して隠したような場合です。
・最低弁済額の要件を満たしていない場合
※負債総額に応じて、最低でもこれだけは返済しなければならないというラインが決まっていますが、この条件に合っていない場合です。
再生計画案を作る際には裁判所からこういった点を追及されないよう、細心の注意が必要です。
もし計画が認可されても、弁済できなければ手続きが無駄になる
再生計画案が認可されて手続きが成立した場合、3年もしくは5年の返済が始まるわけですが、実はここからが本当の勝負といえます。せっかく苦労して個人再生手続きを終えたのに、返済の段階になって行き詰まり、残念ながら結果的に自己破産に切り替えるという失敗パターンもあります。
こうなると、最初から自己破産しておく方がずっと楽だったという結論になってしまいます。たとえ普通に生活しているつもりでも人生の中では病気、事故など突発的な支出が起きることも考えられます。ですから、これらを含めて家計を予測し、ゆとりのある再生計画を立てておく必要があるのです。