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過払い金返還バブルって何?弁護士への影響は?

ここ数年、毎日のようにテレビ、ラジオ、新聞、ネット上で「過払い金返還請求」が盛んに広告されています。巨額の広告費を投じて宣伝するからには、弁護士側にもそれなりの大きなメリットがあると考えるのが自然でしょう。
ここでは、過払い金返還請求の弁護士業務の中での位置づけや依頼する側の注意点、今後の展望について考えてみましょう。

過払い金返還は弁護士にとって儲かる仕事?!

昔の利息に関する法律では、高金利でありながら債務者が任意に支払えば有効になるというあいまいな部分がありました。これを「グレーゾーン金利」と呼ぶのですが、グレーゾーン金利が有効になるかどうかを裁判で争いになることが頻発し、裁判所も次第に有効と認めない裁判例を多く出すようになりました。これによって、有効とみなされない金利については返還を認めるという流れが一般的になってきました。
最高裁判所でもグレーゾーンを無効と判断する裁判例が増えてきたため、平成16年くらいからは消費者金融などでグレーゾーン金利を有効だと主張してくることが激減し、過払い金返還は非常にやりやすいものとなりました。
利息を正しいものに計算し直し(いわゆる「引き直し計算」)、電話や郵便で1回か2回交渉すればすぐに返還されることも多かったため、そこから手数料をもらえる過払い金返還代行業務は「定型化できて、やりやすい仕事」という認識が法曹界にも急速に広まってきたのです。そこで、大手事務所を中心として徹底した広告戦略で過払い金のある債務者を集め、莫大な手数料を手にするという「過払いバブル」が発生、加熱し、それを巡る問題が発生するようになりました。

依頼する側は悪徳弁護士、悪徳業者に気をつける

過払い金返還請求については、依頼者がさまざまな悪徳弁護士や業者の被害に遭っているという負の一面もあります。弁護士であってもすべての事務所が依頼者の利益を考えて公正に仕事をしているとは言いがたく、中には金融業者と馴れ合いになっており、いい加減な金額での和解をしてしまったり、報酬金額についての説明が不十分で依頼者とのトラブルになったりということもあります。
また、悪徳業者と提携して名前だけを貸して手数料をもらうような「提携弁護士」と呼ばれる人も出てきています。債務整理を業として行うことができるのは弁護士と簡易裁判所代理権を認定された司法書士だけですが、資格もないのに「過払い金取り戻します」などという広告をして債務者を集め、実質的には法律家はほとんど業務にタッチしていないにもかかわらず報酬を取る業者も後を絶ちません。しかも、その金額が過払い金取り戻し金額の50%など、とんでもない割合にのぼることもありますから、くれぐれも正規の弁護士、司法書士事務所以外の業者には決して関わらないよう、気をつけなくてはなりません。

過払い金バブルはそろそろ終わりを迎えるのか?

過払い金返還請求はいつまででもできるわけではありません。完済してから10年が経つと「時効」によって消滅してしまうこともあります。
2006年に利息を低い金額に統一する旨の「貸金業改正」が成立し、その後、段階的に施行されて完全施行は2010年になるわけですが、2006年以降、大手の消費者金融など今まで高金利だった業者も続々と金利を下げ始めました。そして、完全施行の2010年までには正規の業者であれば建前上はすべての会社が利息制限法内の利息に直したことになるため、「払いすぎ」という状態になりづらくなっています。
つまり、法改正を見てすぐに利息を下げた会社であれば、それ以降の過払いは発生しておらず、それまでの過払いについては、2015年以降はすでに時効が成立しています。
ですから、バブルとまで言われた過払い金返還請求はそろそろ下火にかかっているとはいえるのですが、時効中断などをしていた場合もありますから、一律にすべてがなくなるというわけではないのです。

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