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債務整理にどうにも食指が動かないそのときに
債務整理にどうにも食指が動かないそのときに
もう借金でどうにもならない。弁護士のサイトを閲覧しては債務整理について調べている。大体やり方はわかってきたし、借金問題を解決した後もどうなるのか漠然と想像はつく。でも、どうにも気乗りしない。「債務整理か。いずれはやらなきゃいけないんだろうなあ……」とは常々思っていても、なぜか動く気持ちになれない。
そういう人はことのほか多いものです。
債務整理は別のものにたとえると、ジョギングや筋トレ、ダイエットに近い面があります。普段、まったく運動をしていない人が、頭のどこかで「あ~あ、運動不足だな。たまにはジョギングしないとなあ」と思っていても、いざ休日になると「また来週でいいや」とばかりにゴロゴロしてしまう。
でも、会社の新入社員の女の子に一目惚れしてしまったとか、あるいはとても待遇の良い会社にヘッドハントの話をされたものの「もう少しシェイプアップしてください」と自己管理も条件にされたなどとあれば、メキメキとやる気が出てくるものです。
どんな理由であれ、一回弾みがつけば、運動も案外苦にならないもの。そしていざ身体を動かしてみると、その爽快感に「ああ、これこれ。久しぶりだな。気持ちが良いなあ」と心が晴れ晴れするものです。
このように述べてみると、なんとなく債務整理のイメージも見当はつくはずです。そして同時に「それはそうなんだけどさあ……。でもどうしてもやる気が起きないんだよね~」という債務者の方々のその気持ちも当所はとてもよくわかります。
債務整理をしなきゃいけない。少なくともいずれはすることになるだろう。そのような未来にあたって、まず原因について考えてみることが大切です。
債務整理に着手できないたった1の要因
頭ではわかっていても、どうにも債務整理への行動に着手できない。もし目の前に弁護士がいて「それはどうしてですか?」と尋ねられたとしましょう。そのとき、あなたはなんと答えるでしょうか。
・もっと借金がしたいから
・クレジットカードが使えなくなるでしょ
・病院にお金を払わないといけないんですよ
・自宅を買ったばっかりで
・教育費が必要だからなあ
色々な理由が挙げられることでしょう。そしてそれらの1つひとつはきっと本当のことだと思います。
でも、たとえば「自宅は今のまま住み続けられますよ」と弁護士が述べたとします。ではそう言われて、あなたは「じゃあ債務整理する!」と飛びつくでしょうか。
そうではないはずです。もしそういう理由を挙げられても「でも……」と必ず別の理由を考えるはず。それはもうどこまで説明して、何の問題もありませんと告げたところで、やはりなんとか債務整理をしない理由を挙げようとするでしょう。
その理由を一言でいえば「借金が好き」だからなのです。
高い金利が日々かさみ、返済もできずに苦しんでいるにも関わらず、借金が好きなはずがないと思う人もいるかもしれません。でも、お金を借りた瞬間の喜びを思い出してください。「債務整理をしなければ、この喜びがまた味わえるかも」という気持ちがきっと心のどこかにあるはずです。
これはつまり、借金に対して執着しているのです。借金から離れたくない。借金が好きだ。自分の内面をよく探ってみてください。そういう気持ちが心のどこかにあるのではないでしょうか。
別のかたちでたとえると、DVをする夫と、それから離れられない奥さんのような関係です。暴力を奮われて友達のところに逃げ出した。泣きながら相談もした。しかし、そこから解放される方法を友達から提案されると「でも……」と始まってしまう。そういう人は世の中にはたくさんいます。
これは結局、奥さんは暴力を奮われても夫が好きなのです。だからこそ、このような状態からがんばって自分自身を切り離すというのは至難の業なのです。でも、そんな奥さんでも、ある瞬間にふと目が覚めて、着々と離婚への手続きを進め、やがて無事離婚が終わったとしたらどうなるでしょう。
「なんであんなばかみたいな男にくっついていたのかしら」
過去の自分を思い出してばかばかしい気持ちになるはずです。
借金の問題も実はこれとほとんど同じ。債務整理が怖いのではありません。借金をすること、そして借金で苦しむことが実は好きなのです。だからこそ、債務整理に食指が動かないそのときは、まずは自分の心の内側をじっくりと見つめてみましょう。
葛藤の原因を排除できれば、借金の解決はもう目前だと断言できます。