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お客様別ヤミ金対策
自営業者や個人事業主によるヤミ金被害の割合はけして多くはありません。ただし、被害に遭っている人は実際に存在し、また被害額も甚大なものとなっています。
自営業者や個人事業主は会社員とは異なり、自分で生計を立てなければなりません。しかし自営業者や個人事業主が、法人経営者のように事業資金と生活資金との間にきっちりと線引きができているかと言うと、この点に関しては疑問が残ります。このため、零細の自営業者や個人事業主はヤミ金に対する借入の理由を事業の運転資金とは述べつつも、実際には生活資金に充当されている可能性が少なくありません。また同時にそれは自営業及び個人事業がうまくいっておらず、生活が困窮していることを示唆しています。
ただし会社員とは違い、自営業者や個人事業主はヤミ金から借入をしているからと言って必ずしも多重債務に陥っているとは限りません。この理由として自営業者や個人事業主はどうしても金融機関からの信頼が低くなりがちであることが挙げられます。銀行からの借入はもちろんのこと、場合によってはサラ金からも融資を渋られるため、債務者は危険を承知でヤミ金から借入をせざるを得ないと言った面があるのです。このような事情のため、ヤミ金も自営業者や個人事業主には、あまり大金の融資を行いたがらず、結局は1万・2万と言った少額を貸しては返させると言ったパターンが多いのが実情です。
自営業者への融資には裏がある
ヤミ金が自営業者を好まない一番の理由。それは担保となる資産が極端に少ないことが挙げられます。自営業者や個人事業主は、会社員のように法人の信用を担保にできません。また専業主婦のように配偶者の収入があるわけでもなく、年金生活者や生活保護者のように国家が一定の資金を定期的に振り込んでくれるわけでもないのです。このため、資産となるものがほとんどないため、ある意味でもヤミ金側としても融資をしにくい相手だと言えるのです。
もちろん自営業者とは言え、例えば債務者が居酒屋や洋服屋などのような店舗を自前で所有しているのであれば、ヤミ金はこの店舗を担保として融資をすることもあります。しかし、その場合には担保は既に二番抵当・三番抵当まで入れられていることがほとんど。このように、債務者の家族が会社員をしている場合などを除き、儲かっているヤミ金であれば自営業者には融資を行いたがらない傾向が強いのです。
もし債務者ご自身が自分の資産を顧みて、そこにあまり高い価値を見いだせないのであれば、それは危険信号。単なる取立以外に裏がある場合があります。その理由として以下のようなものが挙げられます。
取立に自信のあるヤミ金
ヤミ金業者と一口に言っても、その交渉方法は様々です。威圧・恐喝・嫌がらせを主体にしている者もいれば、家族や近隣住民に迷惑をかけることで債務者を間接的に脅す者、貼り紙を貼ったり、暴力を振るったりと言った直接的な行動に出る者など千差万別です。
これらの中には元サラ金業者や現在もサラ金を営みつつ、個人でヤミ金を行なっている者も存在します。彼らはとても交渉が上手です。ごねと脅しとなだめすかしを繰り返し、債務者が根負けするまで何時間でも交渉を続けます。このように取立に自信のあるヤミ金の場合、債務者が友人・知人・親戚などからお金を借りてくるまでごね続けることを前提で、融資を行う可能性も有り得ます。
就労先にあてのあるヤミ金
借金の返済ができないのであれば「働き口」を斡旋される可能性も
借金の返済ができないのであれば「働き口」を斡旋される可能性があります。
一昔前は「借金を返済できなければマグロ漁船」などと言う噂がまことしやかに流れていましたが、実際のところ、借金の返済のためにマグロ漁船で働くと言う話はあまり耳にしません。それよりは俗に言うところの「ケタオチ」と言われる劣悪な飯場などで働かされるかたちになることでしょう。この労働現場では暴力団風の人間などに見張られており、脱走しようものなら殴る蹴るの暴行を受けるなど、到底労働環境などを問えるような場所ではありません。
女性の場合、まずほとんどが水商売での労働となります。もちろんこれも軟禁状態に近くなるため、債務者の人生は終わるも同然の危機に晒される可能性が高くなります。
家族に資産もしくは担保となる価値を見いだしたヤミ金
ヤミ金は家族を担保にする
前述のように債務者の家族に労働力となるような若い人間がいたり、もしくは家族が勤め人だったりする場合、ヤミ金側はその人を担保とすることで融資を行うことがあります。ただし、それはヤミ金としても回収の見込みが高いものではないため、あまり知恵の回らない粗暴なヤミ金か、よほどに脅しが上手なヤミ金かのどちらかに限られるものとなるはずです。
犯罪に荷担させるつもりのヤミ金
ヤミ金から要求される物品は犯罪の入り口に
ヤミ金を営むには「債務者名簿・架空口座・飛ばしの携帯電話」の3つが不可欠です。これが一つでも欠けると業務に支障をきたすため、ヤミ金側は常にこれを補充するようにしています。ただし、ヤミ金であっても、これらの入手は難しくなっているのが現状です。このため、ヤミ金業者としては借金の返済ができない債務者に、債務者名義で携帯電話を作らせたり、銀行口座を作るよう持ちかけてきたりすることがあります。
ただし、これらはいずれも明確な犯罪行為。ヤミ金の誘いに乗ってしまうと、刑事事件に発展するのみならず、場合によっては莫大な金額の民事訴訟を受ける可能性も高いため、絶対に関わらないようにしなければなりません。
ヤミ金を開始したばかり
ヤミ金は「金融に見せかけた犯罪」であり、事業ではありません。このため、法的な規制も登録も必要なく、始めようと思えば誰でも始めることができます。ただし、相応のノウハウや知識がない者がヤミ金を行ったとしても、債権を回収することは困難です。
ヤミ金業を営んでいる者の中には街の中をふらふらしているようなチンピラ風の若者も少なくありません。彼らがヤミ金を営みたいと考えても、実際には取立のノウハウがなく、また知識もありません。このように「とりあえずヤミ金をやってみる」と言う程度で開始されたヤミ金もないわけではないのです。信用が低く、担保もない債務者に融資を行うと言うことは何か裏があるだけではなく、何も考えていないと言う可能性も否定はできないのです。
ノルマが達成できていない もしくは金銭的に困窮している
複数人でヤミ金業を営んでいる場合、彼らの内部でも自然と上下関係が生じます。これらは暴力的ではあるものの、サラ金のような業務に近い形態を取るため、小口の顧客に対する取立などは自然と末端の人間に任せるかたちになります。
このため、末端の人間であれば月に幾らまで融資をし、幾らを回収するのかノルマが決められることがあります。例えば融資をしたものの、回収ができなければ末端の人間は自腹を切って組織にお金を納めねばなりません。このため、ノルマを達成するために末端の人間は少々のリスクを承知で担保のない自営業者に融資を行い、何とか無理やり取立をすることを試みることもあります。
ヤミ金の狙いをしっかりと探り当てる
上記のように、資産のない自営業者・個人事業主がもしヤミ金から融資を受けられた場合、なにがしかの裏がある可能性を考える必要があります。
ヤミ金が単に高利で融資をした場合はさほどの問題にはなりません。もちろん自営業者であれば店舗は閉鎖、業務は廃業に追い込まれる可能性もあります。家族がいる場合には家庭崩壊のリスクも生じます。
しかし単なる高利での回収をもくろんでいるだけならば、取立の問題が生じても、債務者や家族の命に障る可能性は生じません。危険なパターンは家族が資産を持っていたり、家族や債務者本人に価値を見いだしたりしている場合です。この場合、ターゲットとされた当人がヤミ金の言いなりにならない限り、ヤミ金は脅迫の手を緩めようとはしないでしょう。
また、ヤミ金側の狙いとして例えば薬物の売買に荷担させたり、携帯電話や保険証、銀行の口座などを作らせたりする可能性もあります。これを行うと犯罪に荷担したとして逮捕は免れません。また罰金はもちろんのこと、民事訴訟などによって金銭的にも負担をかけられます。携帯電話はもちろん、信用を喪失したとして銀行口座の作成も断られるようになっては、仮にヤミ金問題を解決したとしても、以降の人生、まっとうな生活を送りにくくなってしまいます。
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当所が自営業・個人事業主の方にヤミ金対策を行う場合、まずはお客様への聞き取りを通してヤミ金側の狙いをしっかりと探り当て、徹底してこれをガードすることでお客様および家族とその資産を保護することを最優先としています。