ヤミ金が債務者の混乱を狙うことも

上に述べたように複数のヤミ金業者から一斉に取立を食らうと、精神的にも現実的にももはや身動きが取れなくなります。ヤミ金業者はそれを逆手に取って複数のヤミ金業者を装うことがあります。

例えばお金を借りに来た女性を水商売で働かせたいと考えた場合、紹介などの手口を通じて複数のヤミ金から借入をさせ、ある程度の債務が溜まった頃、一斉に取立を始めるのです。債務者からすれば数百倍以上に膨れ上がった債務が返済できるはずもなく、加えてそれが複数社にわたるのです。そうして債務者がパニック状態に陥った頃合いを見計らい、最初のヤミ金は「他の分は一本化しておくから」との申し出と引き替えに債務者に水商売で働くようにそそのかすのです。

ただしこの場合、女性にとっては複数社のヤミ金から借入をしたつもりであっても、実際には一社の系列店をたらい回しされていたと言うケースも考えられます。

いずれにせよ、複数のヤミ金業者からの借入は非常に危険な状況であると言えます。ヤミ金への債務が一社からの系列なのか、個別の複数社からなのかも含め、ヤミ金対策を行う際には専門の業者に委託することが何よりも大切です。

関係を持たない複数のヤミ金から借入をしていた場合には

大至急ヤミ金対策を行う必要があります。ヤミ金から借入をする人は既に支払うお金がない状態に置かれていることがほとんどです。またそれは消費者金融のみならず、家族・親戚・友人および会社の同僚など、お金を貸してくれそうなほぼすべての人から借金をしていることでしょう。これはつまり、ヤミ金に返済をしたくとももはやお金を貸してくれるあてはどこにもないことを意味しています。何より、よしんば心ある人がいくばくかのお金を貸してくれたとしても、実のところ、このお金は焼け石に水なのです。

例えば１万円をヤミ金から借金し、利息がついて１０万円になったとします。この返済のために知り合いから１０万円借りて返済したとしても、ヤミ金は完済させてくれません。「本日の返済の手続きは既に締め切った」だの「返済は１日繰り上げることが常識」だの、挙句の果てには「１０万円などと言った覚えはない。１千万円だ」などとめちゃくちゃな言い訳をしてくるのが関の山です。

それが一社のみならず、複数社が同じ恫喝・脅迫行為をしてくるのですから、債務者としてはもうどうしようもなくなることでしょう。もちろん家に閉じこもり、電話線を抜いてしまい、さらに何があっても居留守を決め込めば、少しの間は取立をやり過ごすことができるかもしれません。しかし、人間はただその場にいるだけでもお金を消費します。各種税金・家賃・水道光熱費・食費等、最低限のお金と物資は必ず必要になるのです。これが枯渇してしまえば、人間は生きてはいけません。何より、ヤミ金業者の中には暴力的な手段を用いて家まで取立に来る可能性も否定はできないのです。

複数のヤミ金から取立を受けたときには

多重債務の方は消費者金融や知人・友人などから借金をしている延長にヤミ金を置いています。しかしヤミ金の本質は「少額の融資を呼び水にした恐喝」なのです。この点が理解できないと幾ら返済をしても終わらないと言う堂々巡りへと落ちていってしまうことでしょう。まして脅迫に怯えて生活資金すらなくなってしまうと、もはやヤミ金の言いなりとして人生が終焉へと向かってしまう可能性もあるのです。

ヤミ金から取立を受けたときにまずやるべきことは「時間を稼ぐ」こと。ヤミ金は凶悪かつ粗暴な恫喝を繰り返すことで債務者を意のままに操ろうとしますが、これに従ってはなりません。しかしヤミ金に対して真っ向から反発すると、ヤミ金はこれを「返済の意思なし」と受け取り、すぐに債務者に嫌がらせを始めます。だからこそ「返済はできるが、今は手持ちがない」などと言って一時的に時間を作る必要があります。そうして少しでも時間ができたのであれば即座にヤミ金対策を行わねばなりません。

ただしヤミ金対策ではなく「犯罪者だから」と言う理由で警察に向かっても、警察はあまり相手にはしてくれません。せいぜいが「ヤミ金に返済をする必要はありません」と言うだけか、警察官個人が善意でヤミ金業者に電話を入れて厳しい取立を止めるように伝えるのが精一杯でしょう。これは警察からすると傷害などの具体的な犯罪が起こっていないことや、ヤミ金から借入をした債務者自身にも落ち度があると見なす傾向があること、そして何よりヤミ金業者そのものの行方を追うことがとても難しいなどの理由があります。せっかく警察署に赴いてもあまり相手にはしてもらえない場合、ヤミ金はここぞとばかりに債務者に凄みをきかせてきます。こうなると債務者側はもはや寄る辺もない状況に陥ってしまうのです。

だからこそ連絡が取れるうちにヤミ金対策を行うことが何よりも大切。当所はヤミ金問題でお客様の最後の砦となれると自負しております。