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ソフトヤミ金について
交通・運輸関係のヤミ金
ソフトヤミ金が発生しやすい環境に、一般社団のような緩やかな関係の法人・組合・サークルが挙げられます。これは特定の目的を共有しつつも、上下関係やコンプライアンスがはっきりしないことが特徴です。さほどの肩書きはないにも関わらず、狭い交流関係の中で派閥的な力を持つ、いわゆる「古株・牢名主」のような者がヤミ金業を営むことが多いのです。
具体的にソフトヤミ金の多い業界が、タクシー・ダンプ・トラックなどの運輸・交通関係です。これらは法人としての形式は保っていても、実質的には個人事業者の集まりに近いものであり、かつ労働形態が成果報酬に近いため、サラ金も融資をしたがらないためです。また近年の燃料費の高騰や不況による売上の減少などもあいまって、同業種内でヤミ金を営む者が自然発生的に現れてきています。
彼らは貸し金としての資産もなく、また登録も行っていません。このため、法的には一銭の返済も不要なのです。彼らのようなソフトヤミ金から借入を行うと目先の問題は解決するかもしれませんが、やがてはじり貧に陥り、身動きがとれなくなってしまいます。借金の返済のために生活費はおろか、業務を営むための燃料代すら手元になくなってしまう状況を繰り返すのは、間接的にはソフトヤミ金の従業員やアルバイトのような位置づけに置かれることと同義なのです。
尚、ソフトヤミ金として立ち回っている者は、同業種内でもある程度の地位を確保していたり、実力を持っていたりすることが多いものです。彼らに対して不安を抱えているのであれば、まずは当所にご相談下さい。
運輸業界にヤミ金が発生した理由
トラックやタクシー業界は個人事業主が少なくありません。しかし運輸業界は景気に大きく左右される面があります。とくに物流系は一度景気が下降するとしばらくの間、受注のめどがまったく立たなくなることがあります。しかし運転手としては、生活費はもちろんのこと、トラックなどの設備もお金を費やして維持しなければなりません。
ところがサラ金は個人事業主にはあまり融資をしたがらないのが実情です。これは融資を行なっても焦げ付く可能性が高く、回収のめどが立たないためです。また総量規制の影響により、年収の3分の1までしか借入ができなくなったことも貸し渋りに拍車をかけています。
この結果、生活や事業を継続できなくなった同業者に対し、多少資産に余裕のある人が内々でお金を貸してあげたのがソフトヤミ金の始まりです。初めのうちは彼らも善意があったのかもしれません。しかし友人・知人の紹介と言う形であまり面識のない人にも融資を行い、その代わりに利息を付けて返してもらうことで次第に貸金業の味をしめてゆき、やがてその行為は明白なヤミ金へと変わってしまったのです。
担保と金利のどちらが問題か
トラックやタクシーの運転手にとって車は何より大事な商売道具。しかし仕事が入らずに生活ができないとあっては最終的にはこれをも手放さざるを得ません。また、サラ金などの貸金業者に対してこれらを担保にしたところで、結局は二束三文で買い叩かれ、雀の涙程しか融資が受けられません。それどころか融資が受けられればまだ良い方で、ほとんどは門前払いにされてしまいます。これに対して仲間内でのヤミ金は車を担保にするかわりに少々の高利でも必要なお金を用立ててくれます。
ただし、ソフトヤミ金の高利のワナにはまってしまうと仕事をこなしながらも、返済のため、徐々に生活は圧迫されてゆき、やがては商売道具である車すら取り上げられてしまいます。最後には借金だけが残りかねません。もしくは車を差し押さえられ、ヤミ金側に「貸与」されるかたちで半ば強制的に業務を続けさせられる可能性もあります。
上述の他、業務の上流に位置する者がヤミ金を営んでいた場合、業務の割り振りに差をつけたり、給与の振込前の段階で単価を引き下げたりするような、分かりにくいかたちで債務者からお金を奪うこともあります。たとえ顔見知りであったとしても高利で融資を行ったり、業務としてヤミ金を営んだりすることは違法です。この点だけはけして忘れてはなりません。
ソフトヤミ金の狙い
同業者内でのソフトヤミ金が恐ろしいのは、ヤミ金から例え押し貸しに近いかたちで貸付された場合でも、お金を借りなければ仕事そのものがなくなりかねない懸念を債務者が抱いている点にあります。また商売道具であるトラックやタクシーを差し押さえされれば、債務者としては路頭に迷うほかありません。
加えて人間関係のつながりも問題に拍車をかけています。狭いコミュニティ内での人間関係は恐ろしいもので、仮に同業者たちから一斉に顔を背けられれば、債務者としては精神的にも業務的にも困窮をきたすことでしょう。このため、一度ヤミ金から融資を受けた債務者はさながら奴隷のようにヤミ金の言いなりになりながらも、細々と現在の業務を続けると言う悪循環に陥ってしまうのです。
そして、実はこれこそがソフトヤミ金の狙い。業務を継続しているため、債務者自身はなかなか気づかないようですが、これはいわゆる一般的な「ヤミ金」が最後に債務者を売り払う「タコ部屋労働」と同じ仕組みを持っています。債務者はヤミ金にほとんどの給料をピンハネされつつ、それでもギリギリで生活を維持できます。また同業者たちがソフトヤミ金によって同じ待遇を受けていると、出会う顔ぶれが皆債務者であるため、いつの間にかその厳しい生活が当たり前のものへと変貌してしまい、それにより、いつしか「タコ部屋労働」から脱却する意欲を失ってしまうのです。
このような状況から変わるには、
- 商売道具であるトラックやタクシーなどを失い、借金だけが残った時点で仲間内のコミュニティから放り出されるか
- 家族や友人から強く刺激を受け、かつての状況へと戻ろうとヤミ金対策を行うか
この二点しかありません。
- まずはご相談下さい
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ソフトヤミ金からの借入で次第に生活が苦しくなってきた場合、債務者としては自分の日常が正しいのかどうかも判断できなくなりかねません。現在の業務を継続しつつもヤミ金への借金をなくしたいと思ったり、またはソフトヤミ金に対して疑問を抱いたりしているのであれば、まずは当所にご相談下さい。