信用問題とヤミ金
国家の治安維持のため、警察は大きな力を持っています。しかしヤミ金被害に遭った場合、警察の力で問題を解決できるかどうかは別の話。当所からするとヤミ金問題が起こった際、債務者個人が警察に相談をすることについて、強くはお勧めしていません。これは警察が民事不介入の原則を持っており、例え債務者とのトラブル相手がヤミ金であったとしても、警察は門前払いをする可能性が高いためです。
犯罪組織相手でも「民事不介入」の理由
そもそも警察は傷害・詐欺などの刑事事件を取り扱うための組織です。ヤミ金のような金銭問題に関して警察は相手にしてくれません。これはヤミ金だけでなく、サラ金や個人間の金銭問題も含まれます。それどころか金銭問題である場合、法人と法人、法人と個人の問題であっても警察は受け付けてくれないのです。
例えば飲食店で「食い逃げ」があったとします。これは「詐欺罪」もしくは「窃盗罪」になります。しかし警察はあまり相手にはしません。また子どもの「万引き」なども同様です。なぜなら警察からすると、それらは明確に「刑事事件」と言えるような大きな犯罪ではないためです。このため例え金銭問題で相談をされても、警察としては面倒くさがった挙句「民事不介入」を盾に被害届けを受理しないのです。知っておくべきは、警察はめんどくさがり屋であり、大きな問題でなければ腰を上げたがらないこと。これが「民事不介入」の裏に潜む本当の意味なのです。
価値観の違いが警察の「民事不介入」につながる
警察と一般人とでは犯罪に対する価値観が違う
ヤミ金問題で困り果てていても、警察はやはり「民事不介入」を盾に被害届を受理しません。警察はとかく金銭問題に関してはまともに取り合わないものなのです。それどころかヤミ金被害に遭っている債務者が警察署に駆け込んだところで「お金を借りたのはあなたでしょう」とか「借りたあなたが悪い」と言ったように逆に債務者側が怒られたと言った話もよく耳にします。
さて、債務者からすればヤミ金は法律違反の高利で貸付を行い、脅迫・恐喝で取立をする犯罪者。本来ならば取り締まられて当然のものであるにも関わらず、なぜ、警察はヤミ金を放置しているのでしょうか。
これは私たち市井に生きる者と警察組織とでは犯罪に対する価値観が異なるためです。例えばヤミ金のような組織犯罪に対しては、警察内の「組織犯罪対策課」の管轄になります。これは通称「マル暴」と呼ばれるコワモテ集団。テレビなどでよく放送されるため、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしマル暴は暴力団や総会屋など、大がかりな犯罪組織を相手にするものであり、彼らの内情を深く探るため、微々たる犯罪は見逃す傾向が強いのです。そして殺人や偽札作り・麻薬犯罪などを視野に捉えているマル暴からすると、ヤミ金犯罪は「微々たる犯罪」として見逃す対象となりやすいようなのです。
情けがかえってアダとなる
警察官個人の善意がかえってアダとなることも
ヤミ金問題は古今を問わず続いています。つまりはこれまで何十万・何百万人にものぼる債務者がヤミ金被害に遭って警察署に相談にきているのです。
では、彼らは誰もが警察署に相談した挙句、揃いも揃って警察官から相手にされなかったのでしょうか。結論から言えば、そのようなことはありません。警察官だって人の子です。債務者の多くはヤミ金から恫喝を受けた挙句、もはや手の打ちようもなく警察署を訪れたのです。ですので、何とかして欲しいと訴えてくる債務者の必死な姿に警察としても心打たれることもあるかもしれません。また話を聞いてくれた人がマル暴ではなく、所轄の「お巡りさん」であるかもしれないのです。彼らとしても警察官の職務と言うよりは、むしろ個人的な善意からヤミ金に電話を入れてくれることもあるでしょう。
ただし、結論から言えばこれは運頼みの要素が強い上、仮に電話をしてくれたところでまず問題は解決しません。「090金融」のようなヤミ金組織は携帯電話でしか連絡を取らず、所在をつかめないことがほとんど。またマンションの一室のように一見すると事業所があるように見えるヤミ金でも、実際にはウィークリーマンションなどを利用することで所在地を転々と変えています。そのため、ヤミ金の足取りを掴んだ警察がいざヤミ金事務所に踏み込んでみたところ、そこは既に「もぬけのから」となっていたと言うのもよく聞く話なのです。だから涙ながらに相談をし、それを気の毒に思ってくれた警察官が、善意でヤミ金に電話をかけてくれたとしても、ヤミ金の方では「捕まえられるものなら捕まえてみろ」と挑発を繰り返すだけで終わるケースが圧倒的なのです。
問題がこれで終わるのであれば、警察に相談することはけして悪いことではありません。「ダメで元々」と言った気持ちで相談に訪れ、万一何とかなったのであればそれに越したことはないためです。
問題は警察官が善意でヤミ金に連絡をした後、警察に「電話してみたけれど、やっぱりダメでした」と言われる場合。なぜなら警察官がさじを投げてしまえば、それ以降、警察は頼りにならず、しかも激高したヤミ金からありとあらゆる手段で報復を受ける流れとなってしまうのです。だからこそヤミ金被害を被った際、警察署に駆け込むことを「強くは」お勧めできないのです。
- 被害を最小限にするために
- 警察に相談したことでヤミ金を怒らせてしまい、ヤミ金から今度は債務者の家族や会社にさんざん嫌がらせの電話をされてしまうのでは人生が破滅しかねません。被害が急速に拡大する途中で「もうどうすれば良いのかわからない」と、ヤミ金対策を委任するよりは、初めから当所に委任した方が被害はずっと小さくて済みます。繰り返しますが警察への相談は「強くは」お勧めしません。
ヤミ金問題で不安がある場合、まずは当所の無料相談にご連絡下さい。 ヤミ金問題について、ご納得が行くまできっちりご説明をいたします。