それはヤミ問題に関しても同様です。ヤミ金対策を行ってくれるなら、どこの弁護士・司法書士でも同じとばかりに費用や距離などで選ぶことは、率直に申し上げてあまりお勧めできることではありません。

もちろん目に留まった弁護士・司法書士事務所でヤミ金問題の相談を行なったのであれば、彼らも引き受けてはくれることでしょう。しかし内心では複雑な顔をしている可能性が高く、また場合によっては「うちではヤミ金対策は行なっていないので」とお断りされる可能性もあるのです。

これには理由があります。弁護士・司法書士にとってヤミ金対策は「リスクが高い上に交渉が恐ろしく面倒、しかも手間のわりにはまったく儲からない」ものであるためです。

ヤミ金対策の失敗は恐ろしい

ヤミ金対策の失敗は、ヤミ金対策に慣れてない弁護士・司法書士にとって恐ろしいこと

ヤミ金問題に詳しくない弁護士・司法書士が、借金問題の解決を債務者から委任された場合、参考にする手法がどうしても債務整理的なものとなってしまいます。確かに小口金融と言う面ではヤミ金とサラ金は酷似しています。

ただし、サラ金は正規の金融業者として法律を順守することで業務をきちんと成立させています。このため、法律の範囲内でどこまで交渉できるかが鍵となるのです。

これに対してヤミ金は最初から法律など守るつもりがありません。要するに逮捕したり、逮捕に近いペナルティを与えないとヤミ金は取立を止めないのです。この点がわからない弁護士・司法書士がヤミ金業者に連絡をすると大変なことになります。ヤミ金は「よくもやってくれたな」とばかりに取立をヒートアップさせ、勤め先や家族関係をめちゃくちゃにされた挙句、住む場所すらも失うことになりかねません。

インターネット内では、例えば「ヤミ金問題解決率　85％」とか「90％」などと謳うヤミ金対策サイトがあります。しかし裏を返してみればそれは、ヤミ金対策を依頼したにも関わらず「15％」や「10％」の債務者はヤミ金対策に失敗したと言うことでもあるのです。ヤミ金対策で失敗することは命に障る問題になるとことと同義。もちろん失敗した債務者の人生は悲惨きわまりないものでしょう。だからこそヤミ金対策は必ず成功しなければなりません。

尚、当所はヤミ金対策で失敗したことは今までに一度もありません。これは信頼できない司法書士などにヤミ金対策を委任した債務者が、いかに悲惨な末路に陥るかを熟知しているためです。当所ではヤミ金対策が必ず成功することは当然の前提。その上でさらにお客様にいかに有利な解決が施せるかに主題を置いています。

100点よりも60点　これが一般的なヤミ金対策

一般的な弁護士・司法書士にとってヤミ金を相手にした借金交渉はとかく「めんどくさい」ものであるようです。この点については警察も同じような意識と言えるかもしれません。ただし、弁護士・司法書士事務所は警察署のような公的機関ではありません。ヤミ金対策を引き受けた挙句、大失敗をしたりすれば彼らとしては評判が悪くなり、今後の業務にも障りが出かねないと懸念します。

このため、ヤミ金問題を依頼した後、一般的な弁護士・司法書士事務所はヤミ金に対して「手間はかかるが、100点満点で解決する交渉」よりも「60点でも良いので失敗しない交渉」を選ぶのです。この「60点」とは何を指すか。それは「債務者の口座に最初に振り込まれた元金」がポイントとなることが多いのです。

サラ金や商工ローンとは違い、ヤミ金は犯罪組織です。本来であれば元金分も返済は不要です。しかし一般的な弁護士・司法書士はこれ以降の取立を止めさせることと引き替えに、債務者に対しては「元金分だけは返して下さい。これは借りた分ですから」と言うことでヤミ金との和解交渉を成立させてしまいます。

これが60点のヤミ金対策です。取立を続けられて人生がめちゃくちゃにされるよりは遥かに良い結末ではありますが、嫌がらせをされた上にこれでは元金分がもったいないとも言えるかもしれません。

ヤミ金相手の交渉に負けないために

ヤミ金は弁護士・司法書士に対して交渉することに慣れています。ですので、新たに弁護士や司法書士が交渉のために電話をかけてきた場合、この弁護士・司法書士がヤミ金交渉に手慣れているかいないかについても少し会話をすればすぐに判別できてしまうのです。ですので、若手で借金整理の経験が少なかったり、借金問題を得意としない弁護士・司法書士に委任したりすると、ヤミ金はすぐに足元を見てきます。

ヤミ金業者の中にも色々な人間がいます。振り込め詐欺を得意にしているような若手のチンピラであれば、法律に手馴れていないため、告訴するだのと喚くこともあります。もちろん彼らは告訴できるはずがありません。告訴の手続を取っている時点で逮捕されるのは当たり前の話です。

しかしある程度交渉に慣れているヤミ金業者は弁護士・司法書士が交渉を開始した時点で威圧・恫喝などは時間の無駄だと言うことを熟知しています。このため、まずはこの弁護士・司法書士がどれだけヤミ金を知っているかについて探りを入れてくるのです。